September 04, 2005

あの日2

スペインで牛追い祭りがあったそうである。
今回は人が込み合って山のように倒れているところに猛牛たちが突進。
猛牛たちは人の山を踏み越えていった。
重傷者は100近くに上ったそうである。
相変わらず命知らずな祭り。
絶対参加したくない。
ロビンソンの近所でも、今はどうか知らんが「天狗祭り」というものがあった。
どんな祭りやねんと言えば、天狗に追いかけられる祭りである。
まさにスペインの牛追い祭りの牛が天狗になった祭りである。
もちろんホンマもんの天狗ではなく、天狗の面を付けたおっさんらに追い掛け回される。
一応、祭りなので建前があって、天狗が手にする長さ30cm程の先がホウキ状になった竹筒(はたきと読んでた)でしばかれると、その子は健康に育つ、そうだ。

秋に催される天狗祭りは車2台も通行できない幅で、長さ約150mほどの住宅道路をメインストリートで、そのわき道が何本か加わる。
道路の脇には近所の住人や遠方からの客が結構たくさんいたりする。

追いかけられるのは小中学生がほとんどである。
天狗に罵声を浴びせ、追いかけてきたら逃げる。
天狗にも色々種類がおって、普通の赤い天狗の他にジジイ、ババア、ゴールド、シルバー、キーカッパ、獅子舞らである。
天狗たちは町の消防団の倉庫から飛び出してきよるのだが、その中で酒を飲んどるのだ。
これが、タチ悪い。
当然、酒癖の悪い天狗、というかおっさんがおる。

中3の秋に野球部仲間と悠々と参戦したロビンソン。
受験勉強もそこそこにである。
仲間と罵声を浴びせては逃げてを繰り返していた。
野球部を夏の終わりに引退したばかりで体力が有り余ってる我々がしばかれることは、まずナイ。
とはいえ逃げ疲れたので、道端で群衆に紛れ休んでいた。
これは、一時休戦という意味である。
そんな道端で座り込んでいる我々に1匹の酔いどれ天狗(普通の赤い天狗)が近づいてきた。
我々5人は、ニヤニヤしながら何や何やと顔を見合わせていた。
「休戦や、休戦。」
と言ったか言わないかのとき、その酔いどれ天狗が「はたき」ではなく、殴る蹴るの暴行に打って出てきた。
呆気にとられた我々はなすすべも無くやられるがままだった。
ロビンソンも背中に蹴りを食らった。
しかし、相手は1匹。
酔いどれ天狗が仲間をしばいてるうちに、ロビンソンはドサクサ紛れに酔いどれ天狗の背中に、今は亡きジャンボ鶴田ばりのジャンピングニーパットを決めて10m程その渦から小走りで離れた。
「へへっ。ざまー見ろ。」と思って振り返ったら、

「待たんかい、コラー!!」
赤い天狗の面を取り外したおっさんが怒鳴りながらこっちへダッシュしてきた。
おっさんの顔は赤い天狗の面のように赤く、天狗の面のようにいかつい。

「うわーーー!!」
必死に逃げるロビンソン。
「%&$#?!」
言葉にならない言葉を発して追いかけてくる元天狗。

だが、所詮は大人と子供。
逃走劇は50mで壊滅。
警備員が来るまでもみくちゃ。

「コ、コ、コイツ、ケ、ケ、蹴ってきよった!」
かなりエキサイトしてる元天狗。
「蹴ったんちゃうわ!ニーパットじゃ!」
ロビンソンも気が動転していた。
服はビリビリに引き裂かれていた。

別の天狗のジジイとババアのご両人に両脇を抱えられて連れ去られていく元天狗。
だが、顔はこちらに向いており、依然として意味不明の単語を連発していた。
ロビンソンはといえば、1人の優しそうな警備員に、
「大丈夫か?あの人たちお酒を飲んでるから、気ィつけや。今日は帰ったほうがいいよ。」
と言われ帰宅した。

納得いかないのは、ギャラリーたちの冷たさである。
子供がええ年こいたおっさんにしばかれているのに。

次の日、登校してほぼ全員に指を指された。
「天狗にしばかれとんねん。アホや。かっこわるー。」

ロビンソンの顔は天狗の面よりも赤くなった。
Posted by foe1975818 at 15:02│Comments(8)TrackBack(0) 過去ロビ 

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この記事へのコメント

 懐かしいなあジャンボ鶴田。

 牛追いも、ロビンソンさんのとこの天狗も、意味がいまいちわからんですね。
 目的は何なんだろうか。
 
 
Posted by ある契約社員 at September 04, 2005 15:14
祭りって本当にそういうの多いですよね。
何が目的なのかわからない。
ボクの場合はただ単にギャラリーに好きな女の子がいたので目立ちたかっただけなんですよ。
負の意味で目立ってしまいましたが…。
Posted by よしゆきロビンソン at September 04, 2005 15:18
こ…怖っ(@ェ@;)
天狗より生身の人間の方がよっぽど怖いって
教訓を教える為のお祭り?(←違う)
そういえば、奈良にはHなお祭りがあるってニュースでみたよ。
お祭りも様々だね。

Posted by ** ちぃ ** at September 04, 2005 18:41
2
お化け屋敷でお化けをシバいたらダメなように、やり返したらダメなのは理解してます。
でも暴行に対してはいくら「仏のよっちゃん」でもやり返しますよ。そりゃ。
オレの事件は前代未聞だったらしいです。

奈良のHな祭り?
強烈に興味アリですな。
Posted by よしゆきロビンソン at September 04, 2005 18:54
それは奈良県・飛鳥坐神社のおんだ祭りです!!
二月に開催されるこの祭り、この祭りもてんぐの面をつけた
おっさんが町をねりあるき、青竹で叩かれるそうです。
そしてメインイベントが境内の一角で行われる「夫婦和合ショー!!」
天狗とお多福のお面をつけた男女(どちらもおっさん)が、
エイヤコラと腰をフリフリモロ合体シーンをみせつけてくれるのです!!

フィニッシュを迎えるとお多福のおマタに紙をあてがい
その紙を「拭くの紙」として観客に投げつけるらしい!!

このクレイジーな祭り、せひ参戦せねば!!!
Posted by うずら at September 04, 2005 21:25
エロ祭りに食いつくな!うずら。
でも、そういわれれば見たことあるわ。

「拭くの紙」とは旨いこと言うねぇ。
あんまり近寄ってほしくないが…。
Posted by よしゆきロビンソン at September 04, 2005 21:31
鶴田は強かったですね。未だに日本人最強はジャンボ鶴田だと思ってます。
Posted by クロフネ at September 06, 2005 13:54
3
オレが1番ハマッてた時期は小6なんで18年も前になります。
鶴田・天龍VSハンセン・ブロディの対決とか懐かしいですよ。

ジャンボ鶴田は強いだけでなく頭も良かったですよね。
あまりにも早い死が悔やまれます。
Posted by よしゆきロビンソン at September 06, 2005 14:13