よしゆきロビンソンの勝手にしやがれ

月に1度､ないし2度ほど気が向いたときに愛犬ラヴの散歩にいくのだが､昨日､気が向いたので行ったら､こっちに向かってきたﾜｺﾞﾝ車がｸﾗｸｼｮﾝを鳴らしやがった｡
ﾎﾞｸは端っこを歩いていたし､こっちには非はない｡
何だｺｲﾂ､失礼な奴だなと運転席をﾁﾗ見したら､中学時代の野球部の友人Aだった｡
軽く10年以上は会ってない｡
ﾎﾞｸの散歩ｺｰｽはﾊﾞﾗﾊﾞﾗだし､気が向かなきゃ行かないわけだし､これはﾐﾗｸﾙと言えよう｡
たまには気が向いてみるもんである｡
Aは急いでたので長話はできなかったが､消息がわからなくなっていたﾒﾝﾊﾞｰのだいたいの所在地も聞くことができた｡
｢また､会おう｡｣
ﾎﾞｸたちは再会を誓い､固い握手を交わしたのである｡

今から4,5年以上前､帰省中だった大阪から東京に向かうため伊丹空港にいたﾎﾞｸ｡
搭乗手続きを終え､手荷物検査も済ませて､搭乗口に向かっていると､とんでもない巨人が前を歩いていた｡
後姿だけでその人物が誰だか察した｡
ﾌﾟﾛﾚｽﾗｰ小川直也である｡
黒のｽｰﾂに身を纏い､いつもの角刈り､隣には奥さんなのか､彼女なのか､ﾏﾈｰｼﾞｬｰなのかわからないが､とんでもない美人がいる｡
30年のﾎﾞｸの人生で彼女より美人を見たことはない｡

握手をしてもらおう(美人さんでなく､もちろん小川ですよ)と駆け寄ったら､小川はWCに入室した｡
丁度ﾎﾞｸも尿意をもよおしていたので､ｺﾊﾞﾝｻﾞﾒのように後ろにくっついて入室した｡
隣同士で尿を足す｡

見たい…｡
ﾃﾞｶいであろう､小川の小川(コガワか?)を｡
でも､ﾎﾞｸは必死に我慢した｡
ﾎﾞｸも腕には覚えがあるが､さすがに相手が悪い｡
わざわざ負け戦に飛び込んでいく必要はない｡
握手さえできればいいじゃないか｡

WCを出た2人｡
ﾎﾞｸは握手をしなかった｡
いや､出来なかった｡
いやいや､したくなかった｡
小川は手を洗わなかったのだ｡
確かに洗面所は男子ﾄｲﾚのわりには混雑していた｡
こんなところでﾓﾀﾓﾀしていたら､ｻｲﾝ､握手､写真攻めに遭うからさっさと退散したかったのかもしれない｡
だから､たまたまこの日だけ洗わなかったのだろう｡
しかし､ﾎﾞｸは知る人ぞ知るプチ潔癖症である｡
WCを退室するときに手を洗わないなんて考えられないのだ｡

今､ﾎﾞｸは握手しなかったことを非常に後悔している｡
天下の小川がWCを退室するときに手を洗わなかったわけだが､いったいそれがどうしたというのだ｡
ﾌﾟﾛﾚｽﾗｰがチンカスごときを気にしていては､試合なんか出来ない｡
試合では相手の唾液や汗がほとばしりまくっているのだ｡
また､考え方によれば､チンカスも含めて小川直也なのだ｡
しまった！という思いが溢れ出す今日この頃である｡

年末のプライド｡
ﾎﾞｸは仕事で試合を見れなかった｡
小川に勝ってほしかった｡
どんなに｢汚い手｣を使ってでも…｡
怪我が早く治りますように｡