April 25, 2006

事件に大きいも小さいもない1

競馬をやっていると、時が経つのが早い。
ディープインパクトでワーワー叫んでたのが一昨日のことのようであるが、もう1年。

JRの事故も今日で1年。
幸いにもボクの知り合いは巻き込まれなかった。

ボクの前職はぽっぽやであるが、オーバーランしたかといって、どっかの電鉄会社のような日勤教育などは行なわれていない…はずだ。
ボクは運転手にはなっていないのでわかりません。


むかーし、むかし、某駅の駅員として働いてるとき、こんなことがありましてね。
「明日の朝、お前のとこの駅に爆弾を仕掛ける。」
ある夜、こんな類の脅迫電話がかかってきたそうだ。
程度の悪いいたずらであるのは明白だが、万が一のことを考慮して警察に通報。
駅長や助役が夜通しで駅のゴミ箱を封鎖し、その他、仕掛けられそうな物も全て撤去した。

脅迫電話の件は乗客には一切伏せられているが、駅中のゴミ箱が片っ端から封鎖され、駅のあちらこちらに強面の私服警官が目を光らせ、「持ち主不明のお荷物がありましたら、乗務員、または駅係員にお知らせください。」と頻繁にアナウンスされてたら「何かあるのか?」と勘ぐるお客さんもいるし、実際、聞かれた。

そんなラッシュ時の警戒中の最中、
「この人痴漢ですー!!」
電車を降りた30歳前後の女性が、男の腕を掴んで改札付近にやってきた。
ボクは改札業務に追われていたし、ラッキーなことに今日はその類のプロの警官が山のようにいるので任せた。
すると、女性に腕を掴まれていた男が振り切って逃走した。
この状況を私服警官たちは何もせずに突っ立って傍観者と化しているので、ボクは改札を飛び出て、まずは男が振り切った拍子に倒れた女性の元に駆けつけた。
怪我はないようだが、体が震えている。
ボクは男を追いかけたかったが、無人となる改札をほっぽり出すことはできない。
なぜなら、無人になった改札に忍び込んで盗みをはたらく輩がいるし(1人がわざと駅員を改札から遠ざけて、もう1人が盗みをはたらくコンビ強盗がいるらしい)、この駅付近はそんな野蛮な土壌である。
この駅では何かトラブルがあった場合、改札のベルを鳴らし、もう1人の駅員さんを呼ぶのだが、そんな余裕は、この時なかった。

「何で追いかけてくれなかったんですか!?」
涙ながらに訴える女性に、ボクはただただ謝るだけだった。

漸く我々に近づいてきた私服警官のコメント。
「お嬢さん、ちゃんと捕まえとかなアカンやん。」
「いや、ちょっと待ってくださいよ。なんでもっと早く助けてあげられなかったんですか。」
「私服警官が張り込んでることを脅迫犯に気づかれたらマズいやろ。」
ボクは呆れて開いた口が塞がらなかった。

いや、お待ちなさい。
果たして呆れることができる立場なのか、ボクは?
仮に改札をほっぽり出して、痴漢を追いかけてる最中に輩が改札に忍び込んでも、それこそ私服警官がいるから大丈夫じゃないか。
こういう緊急時に機転が利かなかった自分がただただ情けない。

どんな状況であれ、次回こそは痴漢をとっ捕まえてやるぜ。
そして、助けたお嬢さんの携帯番号を聞くなどという恩着せがましいことはしないので、あしからず。

とっ捕まえられる側やったりして…。
Posted by foe1975818 at 17:19│Comments(14)TrackBack(0) 過去ロビ 

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この記事へのコメント
ロビンソンさんは悪くないですよ。
その時の状況で一番ベストな方法だったんじゃないでしょうかね。
駅(ステーションだったかな?)ってドラマが昔やってて、そのドラマが好きで駅で働きたいなと思ってました。
働いたことがないからこんなこと言えるのでしょうけど、毎日色んなハプニングがありそうで面白そうです。
Posted by Kタソ at April 25, 2006 20:40
痴漢を捕まえるって、大変なんですよね?
高校の頃、たまに超混んでいた駅で、痴漢に遭遇した時は

『オヤジ、殺すぞ。』

と言いつつ睨み、終わらせました。減らないのでしょうか?
Posted by チカ at April 25, 2006 20:54
Kタソさん
そのときの女性の涙は今でも忘れません。
マニュアル通りにしか動けなかった自分が悔しいです。
この電鉄会社の駅には女性もいますよ。
言うても電鉄会社って男社会なんで、いろいろとございましたよ。
客でもいろいろとおられます。



チカさん
鉄道警察隊っていうんですかね。
あの方々が現行犯逮捕する分には間違いないでしょうが、最近は冤罪も多いですから、なかなか大変みたいです。
女性専用車両に乗り込むのが今のところはベストでしょうね。
まあ、痴漢はなくならないでしょう。
Posted by よしゆきロビンソン at April 25, 2006 21:07
夕は有り得ない目つきの酔っ払いであろう男性に終電の電車内で目をつけられ、
動物的感性で何かを恐れた夕は友人にtelしお迎えをお願いしようかと
思いましたが誰一人として捕まらず、
仕方がないのでホーム降りてから携帯片手に急いでタクシーに乗ったことがあります。
(ワンメーター切らずに自宅着)
ってこれは痴漢の域を超えているな…
Posted by 夕@rk. at April 25, 2006 21:27
スミマセン、エラーが出たので全画面に戻って投稿したら
二重になっておりますね、お手数ですが1つ消しておいてください。
Posted by 夕@rk. at April 25, 2006 21:29
夕@rk.さん
はい、消しておきました。

そうですよ。
痴漢を超越してますよ、それは。
まず可能ならば、車掌のいる1番後ろの車両に行くことですね。
で、扉開いたらダッシュしかないです。
Posted by よしゆきロビンソン at April 25, 2006 21:33
チカンにあったこと、ありますよ!!
泣いたりはしなかったけど、チカンに文句を言うとか、ニラむとか、そういう行動をすることは出来ず、震えながらされるがままでした。

よしゆきロビンソンさんみたいな人がいてくれたら良かったのに。。。

でも、‘次回こそは痴漢をとっ捕まえてやるぜ’という言葉には、キュンとしました。笑

1人でも多く、とっ捕まえてください!!
Posted by LENA at April 25, 2006 21:34
LENAさん
最近でこそ女性専用車両がチラホラ出てきてますが、痴漢はまだまだいますからね。
大きな声を出せ!!って男は言いますが、なかなか出来ないでしょう。
隣の人にこっそりと伝えられればいいんでしょうけど…。
とはいえ、痴漢をしてないおっさんをとっ捕まえて訴える女がいるのも事実ですから難しい問題です。
発見したら無茶苦茶にしてやりますよ。
逆に傷害罪で訴えられたりして。
Posted by よしゆきロビンソン at April 25, 2006 21:44
その私服警官って「善良な一般人」を装って痴漢を追いかけるとかしないんですかね・・・。
被害女性に「捕まえとかな・・・」はちょっと無理と思うんですけどね。

昔(若かりし頃)JR新快速内で痴漢に遭遇した時、あまりに怖くて泣きそうになりつつも
声1つ出せず、周囲の人に視線で訴えても分かってもらえなくて悲しかったことが。
そして適当にこなれた年齢になった頃、やはりJR新快速内で隣の女性高生が
明らかに痴漢にあっている模様!でも念のため(?)携帯のメール画面に
「後ろ痴漢だよね?」と書いて女子高生に見せて返事を確認してから捕まえて
そのまま新大阪で下車して駅員に突き出しました。ああスッキリしたな〜。
でもこれって年とってせい・・・?
Posted by あさゐ at April 25, 2006 23:38
あっ「女子高生」が「女性高生」になってしまってた・・・見なかったことに(^^;
Posted by あさゐ at April 25, 2006 23:40
あさゐさん
痴漢は黒いスーツを着た華奢な男でしたが、やっぱり捕まえておくというのは無理ですよね。

あさゐさんのそのエピソードはナイスですね。
聞いてるこっちもスッキリしました。
しかも、携帯画面で確認するという冷静さには天晴れです。
オレも捕まえてみたいですよ。
でも、痴漢が多そうな場所ではなくて、車両の端っこに乗車できてしまい、直にとっ捕まえることはできそうにないんで、捕まえてるヤツの援護射撃にまわります。
Posted by よしゆきロビンソン at April 26, 2006 00:14
女性からすれば、怖い思いをしながらも勇気だして捕まえて引っ張ってきたのになぜ助けてくれないのって感じでしょうね。
でも、ロビンソンさんの行動間違ってないと思いますよ。とっさの時の対応の為にマニュアルがあるんだろうし、その時のは通常では想定されてない状況だったんだから、対応できなくても仕方ないかなって。
Posted by クロフネ at April 26, 2006 03:31
とっ捕まえられたら笑いますw。

でも、まともにおっかけて刺されでもしたら馬鹿見ますよね。しかし、すんごいエピソードもってますね。

Posted by ある契約社員 at April 26, 2006 03:53
クロフネさん
ラッシュ時でもあり、人はごった返してました。
意外とみんな冷たいんですよね。
間違ってはいないとは思いますが、やはり心残りです。
そういう状況を頭の中で想定しておけば、すぐに行動を起こせたかなと。



ある契約社員さん
見た目が普通の人間でも物騒な物を持ってますからね。
周りに人が多いときに、とっ捕まえます。

もし、そのときは大いに笑ってください。
Posted by よしゆきロビンソン at April 26, 2006 08:03