August 22, 2007

鉄腕への道はダッシュしかない

スポーツ選手の寿命が延びている。
昔に比べれば体のケアの方法も随分と発達した。
昔はヨシとされていたトレーニングが現在ではタブーとされているものもある。
うさぎ跳びは廃れて罰ゲームへと堕落したし、水を一切飲まずに練習し続けていたあの時代なんてのは一体何だったのだろうか?
めっちゃしんどかったっちゅうねん。
もっとも、今は当時よりも暑さが段違いなんだが。


中日ドラゴンズの超ベテラン山本昌投手。
今年42歳。
名球界入りの条件とされる200勝まで、あと残り僅か。

「どんなトレーニングをすれば長く投げ続けられるんですか?」

彼は佐藤義則氏に問うたことがある。
佐藤義則とは、阪急ブレーブスとオリックスブルーウェーブで長きに亘って活躍した大投手で、山本昌が41歳1ヶ月の最年長ノーヒットノーランを記録するまで、氏が40歳11ヶ月の記録保持者であった。
氏は山本昌の問いに対してこう答えた。

「短い距離をしっかり走り込んでおけ。」

長い距離をダラダラ走るのではなく、短距離ダッシュを繰り返し繰り返し行う。
誰もが一番行いたくない練習である。
当然のことながら、その辛いトレーニングを自分に課し、実践せねば長続きはしないし、それどころか故障続発で実力の半分にも満たない成績しか残せずその世界を去ることになるのだ。
山本昌はこの助言を忠実に実行し、長きに亘り活躍している。
驚くべきは、球速が毎年アップしている点だ。

やっぱり下半身が肝要なんじゃな。


夏の甲子園が公立校の佐賀北優勝で幕を閉じた。

残念ながら、決勝は主審のプロ野球以上の厳しいジャッジのせいで台無し。
甲子園は総じてストライクゾーンの甘い主審が多いが、決勝の主審は珍しく逆。
佐賀北大逆転劇の8回裏に広陵のピッチャーが「ボール」と判定されたうちの半分は正真正銘のストライクだ。
「一生に一度の夏」などと謳うのなら、アマチュアと言えどももう少し審判のレベルを上達させろ。
プレイしているのがアホらしくなる。

きっとあの主審は佐賀北に賭けていたんだろうな。
ボクの参加している賭場では誰一人として佐賀北にベットしておらず、次回に繰越となった。
となると、主審の先見の明は並みではない。
根拠をお伺いしたい!
単純に佐賀県出身だったりして。
ボクは一体何の話をしとるんだ。

でも佐賀北は守りを中心としたいいチームだった。
先発していた左腕はシュートがあれば相当厄介な投手として期待できるし、エースはのらりくらりと相手打線を手玉に取る。
投げ方が千葉ロッテマリーンズの清水っぽかったな。
忘れてはいけないのが、2人の投手を操っていたキャッチャーだ。
ナイスリードだった。
確かまだ2年。
将来が有望だ。
決して勘違いすることなく練習に打ち込み、来年も戻ってきてほしい。
それにしても本当にただの公立校か?
どうやっていい選手を集めたんだろう?

個人的に印象に残ったのは、新潟明訓の投手。
完成されたキレイなフォームから投げ込むストレートには威力があり、変化球も多彩。
ドラフト8位ぐらいで引っかかるかもしれんな。
因みに、顔が松竹芸人アメリカザリガニのツッコミの方に似ている。

そして断トツで注目を集めたのが、佐藤義則と同じ読みの、仙台育英の佐藤由規。
この夏の大会で155km/hをマークした。
智弁学園戦で唯一崩れた1イニングだけ打ち込まれ、2回戦で甲子園を去った。
まだまだ荒削りだし、もっと緩〜い変化球を覚えれば投球の幅は広がる。
でもまずはスピードボールをとことん追求してほしい。
そのためには、既に実践しているだろうが、今まで以上に短距離ダッシュを実践しなければならない。
そしてその暁には、日本人初の160km/hをマークしてもらおうじゃないか。
Posted by foe1975818 at 23:16│Comments(3)TrackBack(0) 野球 

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この記事へのコメント
山本昌がんばってるんですね。ラジコンばっかりやってるのかと思ってました。

高校野球は見てないんですけど、そんなに厳しかったんですか。
見てみたいですね。再放送やってくれないかな。

この世代の選手で一番の注目株は熊本工業の藤村大介らしいです。
Posted by クロフネ at August 22, 2007 23:48
佐賀北はラグビーに似たチームプレーの精神が印象的で、開幕試合、宇治山田商との引き分け再試合、帝京撃破など、すばらしいゲームメイクでしたね。今大会は手に汗握る白熱した好カードが本当に多かった気がします。誤審疑惑もあったけど、運も実力のうちかな?と私は思います。でもそれ以上に選手たちの実力も否めません。広陵も本当に残念だったけど、ウルフルズの言葉を借りるなら、優勝は「両方forYou」でしょう。
Posted by はなわ王子 at August 23, 2007 20:55
クロフネさん
山本昌は今年はもう一つみたいですが、そろそろ上がってくるんじゃないでしょうか。
時期としてはいいですね。

大会を通じて変なおっさんがおるなとは思ってたんですが、どうやら決勝がそのおっさんのようでした。
ボールをストライクとジャッジするならいざ知らず、ストライクをボールとは暴挙です。
あの回だけ熱中症にでもやられていたんでしょう。

藤村大介は初耳でした。



はなわ王子さん
帝京戦は秀逸でしたね。
向こうの二遊間がとんでもないファインプレーを披露してましたが、そんなのはお構い無しに基本に忠実にプレーしてました。
監督の投手交代のタイミングも良かったですね。
エースが無失点を続けていたのは監督の手腕によるところが大きいでしょう。
特待生問題で揺れに揺れた部分も公立校に有利に働いた側面は否めません。
誤審も含め、高野連が自分で撒いた種なんですがね。
Posted by よしゆきロビンソン at August 24, 2007 22:55