ラガルさんが近々ボーリング大会が催されるので練習しておきたいと記されていた。
友人Hの会社もそうだったが、会社レベルでワイワイするとなったらボーリングが最も手っ取り早いのか?
野球やサッカーは場所や道具や規定の人数を予め確保したり借りたりしないといけないし、怪我して肝心の仕事に支障をきたす可能性もある。
ビリヤードは騒ぐこともできないし、卓球もおかしい。
やはり終着点は、お手軽感満点のボーリングということか。
日曜正午。
またしても友人Hからボーリングに誘われ、川西市のエースレーンへ。
ダメ元でヒロキジーニョにも声を掛けてみる。
ヒロキジーニョは14時から仕事だが、通勤途中にエースレーンがあるので、愛車インプレッサで寄って、2ゲームぐらいチョロっとやっていけよと誘ったが、「出勤まで寝ておきたい」と辞退してきやがった。
つれないヒロキジーニョは放っておいて、友人Hのバイクのケツに乗って戦場へ。
戦況は目を覆いたくなるような惨状と化した。
平均150以上を最低条件として掲げているボク。
浮沈の鍵を握るのはボールの曲がり具合を如何に素早く捉えれるかである。
ところがこの日は3ゲーム目終了間際に至っても、さしたる打開策が見い出せず、リリースポイントもバラバラ。
ボクの乱れた心を写すかのようにボールは右へ左へ飛び散り、ヘッドピンを掠めていく。
叩き出したアベレージが「110」。
「あああーっ!!!」
今年5本の指に入る苛立ちが蓄積し、ボーリング場に響き渡るボクのシャウト。
自分の不甲斐無さに手を焼き、友人Hのフォームの修正まで手が回らなかった。
これでは納得いかず、もう1ゲーム突入。
これまた前半戦は目を覆いたくなる惨状だったが、終盤で浮上の兆しが見られ、150オーバーで帳尻を合わせた。
決して満足のいく数字ではないが、もうイヤだ。
投げたくない。
ボーリングでここまで落ち込んだのは何年か振りだ。
なぜここまで落ち込まねばならんのだ!
帰宅準備に取り掛かったら、友人Hがもう1ゲーム突入すると言い出した。
どうしよう?
3秒迷って、GOサインを出した。
「競馬場で最終レースまで大赤字で、ツレが最終レースで挽回しようと大勝負に出る時に、自分だけ守りに入って負け犬として見学できるか?いや、できるわけない。」
それと同じ理論である(強引だ)。
「しっかりせえ!」
自分にビンタをかまし、檄を飛ばす。
これが大正解。
これまでの絶不調が嘘みたいに復調。
「うぉりゃーっ!!!」
4連続ストライクで、ボーリング場にボクの絶叫が響き渡る。
4ゲーム分の鬱憤を晴らす久々の200超え達成。
頬が緩むボクである。
4ゲーム目までは一体何だったんだろうか…。
確かに5ゲーム目には迷いが消え、集中力、精神力とも充実していたが、それにしてもこの落差は?
本当に好調ならスペアを拾って200を達成するんだが、まあいいか。
堅い事を言うな。
気分を良くして帰宅。
競馬をTV観戦。
「あああーっ!!!」
3レースとも全滅で、気分を害する。
「うぉりゃー!!!」
憂さ晴らしに、腰痛で医者から止められているのに構わずジムで全力クロール。
サウナで汗を絞り出し、競馬の事を忘れて少し爽快な気持ちでジムを出た19時前、ヒロキジーニョから電話。
「あああーっ!!!」
ヒロキジーニョからの悲痛な叫び声が!
続きは後日。
この日の友人Hとボクの行動は、結局フリでしかなかったのである。