February 27, 2008

サヨウナラ

車を買い換える。
まとまった金が必要で、手付けとして14万を納めなければならない。

園田競馬で調達だ。

前夜は仕事のために全く眠れなかったので、栄養ドリンクをガブ飲みしてから、おそらく最後になるであろうパッソによる園田遠征。
パッソから望める景色を目に焼き付ける(たいそうに)。
この後、断末魔の苦しみに悶えることになろうとは、この時は思いだにしなかった。

目的は第2レース。
3番のハッスルプリンセス(♀2歳)は2走前に2着と踏ん張ったが、前走で大敗を喫したために「これでもか!」というぐらいに人気を落としている。
これは完全に人気の盲点。
11頭中、実に8番人気ですよ。
舌なめずりで馬券を購入。
ただ、馬券購入締め切り5分前に到着したもんで、大した検討もせずにいそいそと発券機に金を投入した。
それがこれ。
全部万馬券

単勝以外はどれが来ても全部万馬券の網を張った。

園田競馬の午前中などではよく起こる現象で、馬連よりも枠連の方がオッズが高くなるので、その辺は抜かりなく配分した。
だが、よく見ると、唯一4番だけ抜けている。

これがいけなかった。
ボクが指名した3番がソツなくインコースから抜け出したものの、その先には最も人気薄の4番がビチャビチャの泥んこ馬場を泳ぐようにスイスイと逃げ切ってしまった。
4番は11頭中の11番人気!

で、ターフヴィジョンに映し出された配当がこれ→

14万…。
100円をケチった代償が14万。
手付金を払えたじゃねえか!!!

生憎の悪天候で観客の疎らなスタンドの隅っこで、ボクは嘔吐した。

どれくらいの時が経っただろう…。
ボクはしゃがんだまま暫く気を失っていたみたいだ。
衣服も競馬新聞もビチョビチョ。

新しく競馬新聞を購入しなおした。
まだ戦う気力は失せてはいない。
ハズしてもハズしても、この日のボクはへこたれなかった。

で、きっちりハズし続けて迎えた川崎競馬10レースの牝馬限定G「エンプレス杯」。
4強の内の10番ニシノナースコール(6歳)の3連単オッズが不当においしい。
これはもう、ニシノナースコールが、逆にボクを呼んでくれているサインなのだ!

スタート直後は掛かり気味で折り合いに専念するため最後方を追走するだけだったが、2周目で落ち着き、徐々に進出。
最終コーナーでは先頭を射程圏内に捉えた。

よしっ!
睡眠不足で力が入らないが、最後の力を振り絞って拳を振り上げた。
「吉田ー!!!」
ボクはジョッキーの吉田ナースの名をモニターに向かって涙声で叫んだ。
ボクの声に呼応するかのように、前の馬と馬の間を抉じ開けて伸びてきた。
前には岩田騎手操るサヨウナラ(7歳)のみ。
贅沢を言えばナースコールが1着であれば最も懐が暖まるのだが、それは無理な大勢だ、しょうがない。
問題は3着争い!
このレースを終始牽引していた笠松競馬代表9番クインオブクイン(6歳)が粘り腰を発揮している。
その後ろから武豊のアイスドール(5歳)が迫る。
ボクは9は持っていない。
「豊ー!!!」

今度はトイレで吐いた。
武豊はなぜボクが買わなかった時はきっちり差してくるのに、ボクが買えば届かないんだ。

3連単の配当は600倍を確認。
3着に粘りとおした9番は、前々走にボクが本命に掲げたが、急失速して馬券を粉々に粉砕した。
この日も散々迷った挙げ句、最後に切ったのだ。

根拠1
この馬は左周りの競馬場では成績が悪く、馬券に絡んだのは10回走って1回ポッキリであり、川崎競馬場に至っては7戦して全て4着以下である。
根拠2
距離が2000m以上に延びるのと比例して成績が悪くなる。

そんな浅いデータは嘲笑うかのようにクインオブクインは駆けた。

へこたれないと強く誓ったのに、ボクは再びトイレに駆け込んだ。
が、もはや吐く物は枯渇していた。
その代わりに涙が零れた。

Posted by foe1975818 at 23:59│ 競馬