May 20, 2008

わたしの立ってる前で笑わないで下さい

「笑いは緊張と緩和の中からこそ生み出される」というのが定説と言われている。
葬儀中とか、会社の朝礼とか、夜の営みの最中とか、笑ってはいけない場所に限って誰か(相手)の些細なミスが引き金となり、笑いを堪えるのに必死な状況に陥った経験はおありではだろうか?

月曜朝、超満員に膨れ上がった通勤電車の吊り革に捕まるボクの前に着席していたのは、髪型がスラムダンクの仙道とまでは言わないが、短く立たせ気味で、腹回りに若干のダブつきが見られる、推定30代半ばのスーツを身に纏った白人眼鏡男性。
仮に彼を「ジミー」と命名しよう。
ジミーは眼鏡の両端を親指と中指で押さえ、体が小刻みに震えている。
イアホンを装着し、i-pod的なメカで動画を鑑賞しながら必死のパッチで笑いを堪えているようなのだ。
ボクは画面を上から覗き込むも、マリリン・モンロー的な白人女性の姿しか捉えることができず、詳細は一切不明。

こちとら何年振りかの夜更かし疲れが1日経過しても癒えずに立つのがやっとだという切羽詰った状況下で満員電車に揺られているというのに、始発駅から座席を確保するだけでなく、動画を楽しそうに鑑賞しやがって。
どうせ日本人からしたら低レベルで面白くとも何ともないアメリカンジョークなのだろう。
普段なら怒りが沸々と込み上げてくるシチュエーションだが、ジミーの笑いを堪える懸命な姿がボクのツボを激しく刺激し、こっちが笑けてきた。

ジミーのイメージを的確に思い浮かべ易い映像がこれだ。

シリアスな番組において、相談に来た被害者男性のあまりに高い声が、司会者の男性のツボに炸裂し笑いが止まらなくなった。
ジミーはここまであからさまに笑っちゃいないが、堪えようとするジェスチャーが似通っている。
そら笑うっちゅうねん。

ジミーは最も端っこに着席しており、隣の女性は早くも爆睡モード。
ボクの隣に立つ紳士は日本経済新聞を熟読。
要はジミーの独り笑いに気付いているのはボクのみの模様なのである。

ダメだ!
ジミー!笑うんじゃねえ!!
このままじゃあ、満員電車という静寂の中でボクの方が声を出して笑ってしまい、変人扱いを受けるではないか!
違うんです!
ボクは悪くない!!

ただきいてきいてきいて
ええいああ ジミーからもらい笑い
クスリクスリ ふたりっぼち
ええいああ ジミーからもらい笑い
悪いのは そうジミーです

ボクは自分の手首を血が滲まんばかりの勢いで噛むなどして修羅場を凌ぎ、十三駅で無事、乗り換えに成功した。

まあボクだって録音したナイナイのオールナイトニッポンをMDウォークマンで笑いを堪えながら聴いて通勤してるんだから、ジミーをとやかく責めることのできる立場ではないな。

Posted by foe1975818 at 22:14│ 最近