June 04, 2008

進化論

オーストレイリア国防省は首都キャンベラ近郊で大量に繁殖していたカンガルー514頭を薬物注射を用いて処分したという。
当然、動物愛護団体が噛みついてきたが、政府は強行(動物虐待防止協会というものも存在しており、こちらは「処分は止むを得ない」と支持していた)。
鯨についても同じことが言えるが、ヒトが駆除して数のバランスを保ってやらないとそれこそ後々食物連鎖が滅茶苦茶になり、より可哀想な事態に陥ることをあの団体は理解しているのだろうか?
況してや一度食い荒らされた植物を再生するにはとんでもない年月を費やさなければならず、処分するのは当然である。

一方でダーウィンの進化論で御馴染みのガラパゴス諸島では、山羊の駆除が行われているのだが、こちらはちとオーストレイリアとは事情が異なるようである。

月曜夜、素晴らしい展開で勝利を得た日本サッカー中継の後、NHKにチャンネルを合わせると、世界遺産にも登録されているガラパゴス諸島が、世界遺産を取り消されるかもしれない「危機遺産」として登録されている実情を伝えるドキュメントが放送されていた。

エクアドルの領地であるガラパゴス諸島には独自の進化を遂げた固有種が存在している。
その珍しさから世界各国から観光客が押し寄せ、昔は週に2,3本だったガラパゴス諸島への航空便も、今や1日4本にも上るという。
ガラパゴス諸島を保有するエクアドルにとってはこれ以上ない観光収入で、その額は年間40兆円を計上している。

ヒトが増えるとゴミが増える。
島の埋立地は飽和状態で、新たな埋立地が建設される。
そしてゴミに群がるフィンチ。
フィンチの体内に蝿の幼虫が宿り、フィンチの体をジワリジワリとを蝕み、命を縮めさせる。
埋立地付近のフィンチはこの10年で25%減少した。

イグアナは土の中に産卵するが、今や産卵場所を失い、人家の庭に、それも剥き出し状態で産み落とす。
当然、孵化しない。

海に目を抜けると、ナマコの密猟に政府は頭を抱えている。
ナマコの乱獲に悩んでいた政府はナマコ漁を制限しようとするも、漁業関係者からの抗議により却下していたが、ナマコの減少は海自然の観点から宜しくないので、ここにきてナマコ漁を全面禁止。
ところが密漁者が絶えない。
ナマコを欲しがっているのは「中国」。
中国国内で高級料理として人気を博しているからだ。

そしてウミガメも危機に晒されている。
それが山羊の駆除に繋がる。
ヒトによって運ばれてきた山羊がウミガメの餌である草を食い尽くしているのである。

政府としては、何も策を講じなければ荒廃が進み世界遺産を外される→観光客の減少→収入減を招き、それこそ最悪の事態を招く。
でもヒトは減らせたい。
そこで政府はヒトに牙を剥いた。
本土よりも給料が良いこの島々に押し寄せる一時居住者と呼ばれる出稼ぎ労働者にガラパゴス州は島からの退去命令を下す政令を制定した。
通告を受けた者は48時間以内に退去しなければならないのである。

ダーウィンの進化論で名を馳せたガラパゴス諸島。
ヒトと動植物の共存共栄は果たして成功するか。
極限まで進化を遂げたヒトによる施策の真価が問われるところである。

Posted by foe1975818 at 11:06│ TV