後頭部を鈍器で殴打された。
勤務を終え、自宅で朝食を摂っていたボクは、口をあんぐりとあけたまま仰向けに倒れた。
「うちのリビングの天井はこんな模様だったのか…。」
こういう状況で今更ながらそんなことに気づき、思わず苦笑した。
いやあ、驚いた。
大袈裟でもなんでもなく、右下の歯のこの世の終わりのような痛みに気を失うかと思った。
虫歯にしてはいきなりすぎる。
かといって虫歯に詰めたものが外れた感触もない。
立ち上がって洗面所に向かい、飲み込まれていない物が残留している口の中を鏡に映して覗き込んでみる。
右下の歯はパッと見では異変はない。
何かの間違いだったのか?
試しに口内の残留物を恐る恐る咀嚼してみると、木製バットの真芯でボールを捉えたような「カーンッ!!!」という痛みが走った。
ウコン茶で残留物を流し込んで朝食を中断し、歯を磨いた。
「あれ?」
飲んだり、ブラッシングの時は痛みが生じない。
治ったのか?
何も食べずに咀嚼だけすると、やはり歯に釘を打ち込まれたような激痛に見舞われる。
なんだ、この症状は!
木曜でも開店している歯医者に予約をして向かった。
診断結果は、虫歯でも、詰め物が取れたわけでもなかった。