June 03, 2007

クラウチ

「ブッサイクなカップルほど、街中で人目を憚らずに抱き合い、キスをする」
これは現代日本の定説と位置づけられているが、基本的に若いからこそ自分たちの世界に入り込める。
若いとこういうことも可能だ→エアギター

先週土曜夜に出会った若者もまずまずのレベルに達しており、ネタ枯れのこのご時世、久方ぶりのスター誕生に大人げもなく目をキラキラさせてしまった。

ボクは阪急の十三駅で電車待ちをしていた。
それにしても近頃はi-podを装着している若者がよく目につく。
流行に遅れてMDウォークマンを装着し、しかも流行の音楽ではなくナイナイのオールナイトニッポンを聴いて笑い声を押し殺しているボクは相当の変わり者だが、黒いシャツを身に纏い、i-podを装着した見た目は普通の「その若者」には到底敵わない。
i-podを聴きながらロボットダンスに励んでいるのである。
何の曲を聴いているかは定かではないが、兎に角、体をクネクネさせてロボットダンス。
周囲の目を気にせずロボットダンスに励むという、自分に厳しい課題を突きつけているのだろう。
かわいそうに…、基、かっこいいぜ!

ロボッティは運良くボクと同じ快速急行宝塚行きに乗車。
乗車の際もロボットダンスだ。
さっさと乗れよ。

時間が19:00頃ということもあり、当然、着席できない。
ロボッティは車両の奥へ奥へクネクネと突き進んだので、ボクは抜かりなくロボッティの隣に密着。
競馬新聞を広げてダービー予想に余念がない風を装っているものの、視線はロボッティに釘付けだ。

ロボッティはあまり大きな動きではないために気付いている人は少なかったとは思うが、目の前に座るおばさんは笑いを堪えきれない御様子。
隣のサラリーマン風のおじさんは感心したような、不思議そうな、バカにしたような何とも形容しがたい視線を注ぐ。
そんな視線も弾き返すロボッティのカクカクとした動き。

吊り革にも掴まらずロボットダンスに励むロボッティだが、電車が大きく揺れるときはしっかりと吊り革に掴まる。
その時は、「素」だ。
掴まる時も徹底してロボットダンスをしろよ。

乗車時間10分強。
吊り革に掴まるとき以外はロボットダンスを全うした。
ボクはここ石橋駅で降りて乗り換えなければならない。
別れるのは無念だ。
ところが、ロボッティもここで降りる体勢を見せた。
すかさずロボッティの真後ろにへばり付く。
電車が若干急停車気味だったためにロボットダンスに解れが見られたが、ロボットダンスを完全には止めることなく下車。

階段を下る。
ここでもロボットダンスだ。
すげえ!
階段を下りながら体が波打ってるぜ!

今度は階段を上る。
ここでもロボットダンスだ。
上ってることを感じさせず、平坦な道を歩いていると錯覚してしまい、見ているこっちが蹴躓きそうになったじゃねえか!
電車内で見せた控えめな動きはどこへやら。
最後の力を振り絞って大胆不敵にロボッティだ。

ボクはここから箕面線に乗車。
一方のロボッティは改札を出た。
ボクが36時間勤務明けじゃなく元気が有り余っていれば、負けずにロボットダンスで付きまとってやったのに…。

  続きを読む

Posted by foe1975818 at 14:13Comments(8)TrackBack(0)