October 12, 2006

日本人

中学時代は文系でも理系でもなかった(体育会系ではあった)。
運動会でもそうだが、勉強でも1番にはなれなかったのは、さしたる「特徴」に欠けていたからかもしれない。

高校に入学してすぐ、ボクの向かうべき方向が計らずも明確になった。
数学の最初の授業は「因数分解」。
深い衝撃を受けた。
先生が黒板に書く数字の意味がちんぷんかんぷん。
式ではなく、ボクの脳みそが再生不能に分解されてしまった。
この悲劇を境に、この後、ボクは文系を選択することとなる。

この選択は間違っていなかったと確信したのは、物理の授業を受けた時。
因数分解どころの騒ぎではない。
「この机の上に教科書がじっと留まっているのは、地球が教科書を引っ張っているからや。」
なんじゃその理屈。
屁理屈だ。
地球の重力をGとするととか、そんな細かい事よろしいですやん。
もっと楽しくやりましょうや。

しかしながら成績がギリギリのラインを切ることはなかった。
なぜだろう?

意外な落とし穴は文系のある科目に潜んでいた。
ズバリ「現代国語」。
現代国語の成績が赤点のため、卒業まであと僅かというところで課題を突きつけられ、この課題を提出しないと卒業できず、留年してしまうぞとのご通達である。

赤っ恥ですよ。
だって日本人である、ボクは。
日本人で「現代国語」の成績が赤点て…。
ちょっと日本語に詳しい外国人のほうがいい点数取れるかもしれんぞ。

さて、その突きつけられた課題が、森鴎外の「舞姫」の全文書写&現代語訳である。
書写のみならず現代語訳までなんて、そんな殺生な。
確かにボクが悪いですよ。
「この一節から、作者の訴えたかったことを述べよ。」という問題で、ヤケを起こしていたため答えの欄にオフザケで
「死人に口なし」と書いたことは謝る。
でもさ、量が膨大すぎますよ、先生!
訴えが通るわけもなく、ボクは泣く泣く課題を遂行した。

何度もへこたれそうになった。
鉛筆を持つ手は痙攣を起こし、慢性化した首のコリは悪化の一途を辿った。
腰痛も再発した。
おちんちんは無事だった。
もう、てんてこ舞いだったのである。

でも、年下の連中と同じ学年にはなりたくないというちょっぴり情けない気持ちがボクを後押しし、ギリギリ間に合って、めでたくみんなとともに卒業できた。
あの時流した涙ほど、真実味のある涙はない。

まあ、結局浪人したから同じ学年にはなったんやけど。


不思議なもんで、舞姫の内容は全く覚えていない。
舞台がドイツだったことくらいかな?

  続きを読む

Posted by foe1975818 at 14:02Comments(5)TrackBack(0)