July 02, 2007

借り

先週日曜日に雨で順延となった草野球公式トーナメント戦が昨日無事に行われた。

我がレンジャースの監督は、息子をこの日限りの助っ人として加入させた。
息子は某大学2年のバリバリの現役野球選手。
なぜ監督はここまで鬼気迫る形相で勝ちに拘っているのかと言えば、トーナメントの参加費用に要因がある。
参加料で13000円払っている。
1回戦で負けようが、決勝まで勝ち上がろうが13000円。
費用を無駄にしないためにも、せめて初戦を飾りたいというのが監督の考えだ。
それはどのチームにも言えることだが、ユニフォームも作製できない貧乏野球部だけにその思いはどのチームよりも強い。
貧乏の証拠として、うちのチームだけ早朝草野球における特例措置として、練習着で試合に臨むことを認めてもらっている。
しかも皆バラバラだ。

助っ人がキャッチャーを務めることになり、ボクはショートに就いた。
公式戦でショートを務めるなんて、小学校のソフトボール以来20年ぶり。
結果的にこのコンバートが試合の行方を大きく左右することになる。

レンジャーズは1回表にあっさり先制し、さらにチャンスが膨らんだが、後続が絶たれ1点止まり。
相手投手はフォームがゆったりしているわりにボールが打者の手元でピュッと伸びており、しかもコントロール抜群。
苦戦は免れないと悟った。

その裏。
タイムリーで同点に追いついかれたレンジャース。
尚も2アウト2,3塁のピンチ。
バッターの放った何でもないショートゴロが、ボクのところに転がってきた。
しかし、これをボクが弾いてしまい、逆転を許した。

なんとしても挽回したいボクに2回表に打順が巡ってきたが、一度もスイングすることなく敢え無く3球三振。

この後、試合は膠着状態に。
キャッチャーに入った助っ人の本職はキャッチャーではないようだが、このレベルではどの守備位置でも我々の実力を大きく上回る。
盗塁は二度刺した。
エラーを犯しているボクが、助っ人のボールをどれだけしっかりとキャッチしてランナーにタッチしたことか…。
その時、ランナーのスライディングを太股に食らい、筋肉痛を発症している。

あっという間に迎えた最終回。
依然として1-2でレンジャースは1点リードを許している。
そうだ、ボクが犯したエラーのせいで。
祈るような思いでバッターを見つめていた。
祈りが通じ、2番の助っ人がレフトオーバーの2塁打で出塁。
3番がショートゴロに倒れるも、4番の主砲Hさんがレフト線に2塁打を放つ。
ベンチは大盛り上がり。
スコアは2-2のふりだしに戻った。

2アウト2塁で6番のMさん。
Mさんが出塁すれば、ボクに打席が回ってくる。
同点に追いついてもらったからといって、ボクのエラーが帳消しになるわけではない。
「頼む!回してくれ!」
その初球。
Mさんの脇を掠めた。
デッドボール。
「よし!」

お膳立てをしてくれたMさんに感謝した。
(試合後、聞いたところによると、Mさんはデッドボールではなかったらしく、ボクに汚名返上のチャンスを与えるために達川バリの演技をしたのである)
これを意気に感じない男はもはや男の隅にも置けず、さっさとチンコバットを圧し折るべきだ。

まず初球。
見逃してストライク。
2球目。
ファウル。
3球目。
アウトコースのボール。
さあ勝負球の4球目。
アウトコースの球だ。
追い込まれている以上、振らないわけにはいかない。
ボクはカットを試みた。
「ブーン!!」
バットは空を切った。
ありゃりゃ
チンコバット切断か!?
いやん、まだ使えるわよ。
若干腐食してるけど。

レンジャースの勝ちは潰えた。
もう、その裏の守備で0点に抑え、抽選に持ち込まなければならない。
だが、レンジャースは抽選に滅法弱い。
ボクが初めて参加したトーナメント戦も抽選で負けている。
因みに抽選勝ちした相手は優勝した。

3者凡退に抑え、やっとこさで抽選に持ち込んだ。
両チームのメンバー9人がそれぞれ籤を引く。

籤開封。
高校の合格発表よりも、初セックスよりも、大学の合格発表よりも、こんなにドキドキしたことはない。

結果は5-4でボクらの勝利だ!
レンジャースも籤に弱いが、相手チームは輪を掛けて籤に弱いらしい。

ボクが犯したミスのせいで、危うく初戦敗退を喫し、体から煙が上がるほどの監督の意気込みを自らの手で潰すところだった。
羽賀研二における暴力団と同じく、草野球とエラーは切っても切れない関係である。
但し、ボクは野球経験者である以上、自分のエラーだけは許されない。
ましてやそれが決勝点に繋がるミスならば尚更だ。


中学の準硬式野球部時代。
センターの守備に就いていたボク。
1アウト2塁で、バッターがセンターライナーを放った。
2塁ランナーが飛び出していることを確認したボクは、捕球してすぐさま2塁へ送球し、ダブルプレーを完成させるシナリオを描いた。
実はその前の回でも全く同じ状況が起こり、2塁ランナーを刺してピンチの芽を摘んでいた。
「ラッキー!」
そんな油断が生まれたのか、捕球の瞬間、ボールはグローブを掠め、後方に転々。
ランナーに気をとられ、肝心のボールへの注意が疎かになっていたのだ。
このプレーによる失点が命取りとなり、我が箕面一中野球部は箕面六中に敗退した。

死ぬまで忘れることのできない苦い思い出だ。


チームが勝てて、本当によかった。
試合後、観客席で差し入れのビールと寿司を食らいながら祝杯を上げたが、心底喜べない自分がいた。
この借りは再来週の2回戦で必ず返す。
チンコバットの切断はそれからでも遅くはない…ことにしておいてくれ。

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Posted by foe1975818 at 23:39Comments(4)TrackBack(0)

September 25, 2006

ドラゴン悪魔

鵡川温泉、新冠温泉、静内温泉。

ボクが北海道旅行で訪れた温泉。
この3ヵ所の温泉のうち、ある温泉でボクは水風呂の比ではないぐらいに肝を冷やした。


サウナで気を失う直前まで毛穴全開にしたボクは、体を洗うためフラフラと洗い場に辿り着いた。
その時!!
背中に小奇麗な龍をあしらった仁義なき極道さんが、ガニ股で椅子に腰掛け体をゴシゴシ洗ってらっしゃったのだ!!
齢40代と推定される。
さっきまでフラフラだったボクは、正気を取り戻し、もうこれ以上開かないだろうとふんでいた毛穴がさらに開き、おちんちんは硬直。
ヘビに睨まれたカエルならぬ、龍に睨まれた亀といったところか。

ここの洗い場の陣形を上から見た図で説明すると、下底部分がない台形で、それぞれの辺に5つほど席が比較的狭い間隔で設けてある。
仁義なき極道は、この台形の左の辺のど真ん中に陣取っており、その両隣2つづつの席は空席で、風呂場に似つかわしくないヒンヤリとした空気が漂っていた。
わざわざこの仁義なき極道の至近距離で体を洗う必要などない。
誤ってタオルのシャボンが飛び散ろうものなら、仁義なき極道に小指なき者にされるかもしれないからだ。
ヘタレのボクは逆サイドにあたる右の辺の席で体を洗おうとしたら、5歳ぐらいの双子の男の子がお湯か水の掛け合いできゃっきゃ騒いでいる。
しかもお兄ちゃんか弟か判らんが、ちょっとイラっとしてケンカをおっぱじめた。
危ないし、目障りだし、耳障りである。

正義感溢れるボクは注意をしようとした。
その時!!
ふと、身も凍えるある仮説が頭をかすめた。
それは、このチン毛なき双子はあの仁義なき極道のお子様なのでは!?ということである。
確かに不思議だ。
これだけ騒いでいるのに他の入浴者は注意せず、見てみぬフリである。

この仮説は的中している可能性が極めて高くなったために、ボクはのどちんこまで込み上げていた「うるせえ!!クソガキ!!」をストップ。
危ない危ない。
小指なき者どころか、亡き者にされるところだった。
注意を踏みとどまったのは、ここ数年でも5本の指(今のところ小指は無事なので)にランキングされるファインプレーだ。
正義感も仁義なき男の前ではあっさり平伏すのである。

残る洗い場は台形の上底部分にあたる5席になるのだが、この5席のうち4席が埋まっており、みんな肩身の狭そうな感じで縮こまって体を洗っている。

仁義もチン毛も小指もあるボクは、上底部分の中村俊輔でもパス通せないと思われる狭いスペースに体を滑り込ませた。
同じく仁義もチン毛も小指もあると思われる(わざわざ確認してないよ)両隣で体を洗っていた方々も場の空気を察しているのか、気を遣ってスペースを開けてくれた。

ボクは坊主とはいえ、一応シャンプーで頭を洗うわけだが、その間に仁義なき極道もチン毛なき双子の男の子も浴室を去っていた。
結局、3人の関係は解明されることなく闇に葬り去られた。


最近は、刺青の入った人や、暴力団関係者お断りの銭湯が多い中、昔からの営業だからか、田舎だからかは分からないが、ここはOKのようなのね。


極道の世界に関してはもちろん無知であるが、幹部クラスであれば無意味に一般人を傷つけることはないという。
ヤクザというものを勘違いしている若いチンピラ連中が要注意らしいが…。

まあ、幹部クラスもそういう時期を経たから、今の地位があるんだろうけど。


因みに、その日使用していた温泉の更衣室のロッカーの数字が「83」。

「やっさん」

出来すぎだ。  
Posted by foe1975818 at 22:22Comments(12)TrackBack(0)